一期一会

kokontei-yuki2006-09-23

先週買うのを我慢した本が、どうしても、どうしても、
欲しくて仕方がなく、運命の出会いなんだ!
と勝手に解釈し手に入れるべく中目黒の古本屋へ行き、
内田百輭の『大貧帳』を買ってきた。

谷崎を読み終え再度金井美恵子に戻り、
『小春日和』を読み返した私はその続編にあたる、
『彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄』
を読もうと思い探したのだが、どこにも見当たらず、
それがまだ実家にあることを思い出し、
なんともやりきれない気持ちになった。
実家に置いたままの大量の本を思うと、
憂鬱になり、また、手元に無いと思うと、
余計に読みたくなるというのが人の常。というもので、
そうこうしているうちに、
やっぱり先週、内田百輭、買っておくべきだった。
などと今さらながら悔やんだりしていた。
気を取り直して中上健次
『風景の向こうへ/物語の系譜』を読み始めた。
それはそれで面白いし、読んでいて楽しいのだが、
そうなると今度はどうしても
内田百輭のことが忘れられずにいて、
ちょっと高いかな?とおもいつつも、古本だし、
売れてしまった時の失望感を思うとやはり、買うべきだ!
と思い買いに行ってしまったわけである。

理由になっているようなならないような。。。

さて、谷崎の『細雪』だが、
どうも読後、ひきずっていけない。
ここ何日かずっと頭の中が『細雪』の登場人物のことで
いっぱいになっている。
やれ、雪子はいい年して、ばかみたいにうぶすぎるとか、
やれ、こいさんはどうしてあんなにも向こう見ずなことばかりするのか、
それが末っ子というものなのか。。。
などと、なんだか親戚の姉妹のことを心配するような心持ちでいるのだ。

なので読む人は気をつけるべきである。


ところで、中目黒に美味しいとんかつやがあるので
夕飯をそこで食べようとなんのき無しに入ったら、
店主にお客さん達で今日はこっちの店は閉める。
と言うではないか。
どうしたものかと思ったら、
昨日、テレビでカツ丼ナンバー1の店に選ばれたらしく、
本店がてんてこまいなので応援に行くという。

テレビの影響はすごいものだ。

私はカツ丼ではなく、ローズとヒレでビールを飲んできた。