レイモンドカーヴァーへの逃避

公演初日まであと一週間と少し。
緊張で泣きそうな毎日を送っているわたくしですが、
現実逃避のためだけに?本を読んでおります。


少し前に、村上春樹柴田元幸の対談集『翻訳夜話』を読み、
その後、影響を受けやすい私は、カーヴァーを読んでいるのですが、
原書と春樹の翻訳版をよみくらべると、
どう考えても原書の方がおもしろい。と、思ってしまいます。
英語で書かれていた方が、文体のリズムとかがきちんと伝わるし。

つまり、これは作家としてはいいことだけれど、
翻訳者としてはマイナスに働いてしまうと思うのですが、
春樹が書くものは、どうしても春樹になってしまう。
ということではないでしょうか。
彼の文体がどうしても出てしまう。
これは彼が翻訳者ではなく、やはり、作家である。
ということを示しているのかもしれません。


『翻訳夜話』に話は戻ります。
この本の面白いところの一つに、
春樹がオースターを、柴田がカーヴァーを訳す
「競訳」が入っているところがあります。

オースターの作品は「オギーレンのクリスマスストーリー」
を訳しているのですが、これは春樹も本の中で言っているけれど、
私は映画を先に観てしまったので、どうしても、どうしても、
これを読みながらハーヴェイ・カイテルの顔が浮かばずにいられませんでした。
きっと、映画を観てから読む人は皆きっとそうなることと思います。
そして、また「スモーク」観たいなと思うはずです。


そんなこんなで結局、昨日は洋書も扱っている大きめの本屋に行き
『Will You Please Be Quiet, Please?』
というカーヴァーの短編集を買ってしまいました。。。
うむむ。なにやってんだアタシ。

ついでにオースターは原書で読んでいません。まだ。
ただ柴田訳の『鍵のかかった部屋』を読みましたが、
めちゃくちゃ面白かったです。
『幽霊たち』よりこちらの方がおもしろいかも。
と思いました。


こんなことを書きながらモヨコ風に「日記書いてる場合じゃねーよ!」
とか「本読んでる場合じゃねーよ!」とか、
ヤフオクのぞいてる場合じゃねーよ!」とか、
モヨコ原作の映画「さくらん」に友達が出るんだよ!観てくれよ!とか、
とか、とか、とか。。。


ああ、とにかく現実逃避。もうやだ、ムリだ。
来週末の舞台、観に来てほしいけど、私が出て来たらめをつむって、
修業するぞ!と唱えて寝て下さい。
とか本気で思っています。。。



逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。。。

でも、結局これから池袋演芸場かレディースデーをねらって、
映画を観に逃げようと思っているわたし。。。


そんな私はおいといて、他の役者さん、みなさんスバラシイので、
ぜひぜひ観に来て下さい。